犯罪乱歩幻想

  • KADOKAWA (2018年9月28日発売)
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本棚登録 : 268
感想 : 42
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タイトル通り、乱歩先生の作品をモチーフにした短編集。
ただ、最後の二作品は乱歩先生とは関係ない。出来れば全部乱歩先生にして欲しかった。

「屋根裏の散歩者」「赤い部屋」「D坂の殺人事件」「夢遊病者の死」「押し絵と旅する男」を連想させるタイトルが並ぶが、よく読むと他の乱歩作品もミックスされていて、乱歩先生好きには堪らない。
それでありながら、中身はしっかり三津田テイストでありホラーのような妖気と怪奇とタイトルがにある幻想が混ざった感じ。更には三津田さんの作品に出てくるあんな人こんな人、お馴染みの地名なども出て来て三津田さんファンにもサービス満載。
三津田さんテイストなのに乱歩先生らしい雰囲気もあって、三津田さんが上手いのか乱歩作品の懐の奥深さなのか、興味深く読んだあとはまた、乱歩作品が読みたくなった。

最後の二作品はあの有名なホラー作品のモチーフとウルトラシリーズのモチーフ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー・名探偵
感想投稿日 : 2019年6月11日
読了日 : 2019年6月11日
本棚登録日 : 2019年6月11日

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コメント 2件

moboyokohamaさんのコメント
2019/06/12

私が初めて接した乱歩作品はもう50年も前、高校生の時に読んだ「屋根裏の散歩者」でした。それで魅了された私は真っ黒なブックケースに入った深紅の表紙で製本され横尾忠則さんの不気味なイラスト付きの乱歩全集が出るたびに小遣いを工面して購入し喜びに浸っていました。
なんとも不思議な乱歩ワールドは私の気持ちを現実から切り離し、怪しげな怪異世界へ誘ってくれました。
「押絵と旅する男」も不可思議な世界で面白かったですねー。

fuku ※たまにレビューします さんのコメント
2019/06/12

コメントありがとうございます。
乱歩先生の作品は、時代が変わっても楽しめますね。
横尾忠則さんが挿画を担当されていたとは初めて知りました。
私の場合は子供の頃に少年探偵団シリーズから入って大人物へというありがちなルートですが、何かいけない世界を覗いているような、でもやめられない病み付き感が良いです。

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