のぞきめ

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年11月30日発売)
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感想 : 63
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先日読んだ「黒面の狐」に出てきた『のぞきめ』が気になったので読んでみた。
作中に登場する利倉成留という人物にも記憶があるのだが、「犯罪乱歩幻想」に出てきただろうか。

それはさておき、この作品は『覗き屋敷の怪』と『終い屋敷の凶』という二つの手記から成り立っている。
これはネタバレにはならないと思うので明かしてしまうが、ある同じ場所についての違う時代の体験記という体裁だ。

タイトル通りとにかく覗かれる。視線というものだけで十分に恐怖を感じられる。あからさまな敵意や嫌悪というものではなく、ただ見られる。それが何とも言えず恐ろしい。
刀城言耶シリーズのような、閉鎖的なコミュニティにのみ存在する因習とヒエラルキーが絡まり、ますます陰鬱になっていく。

最後にこの『のぞきめ』にはある一定の結論が下されるのだが、それだけではこの事件の完全な解決には至らない。
ということはやはりホラーでもあるということだろうか。

結果的に言えるのは、「君子危うきに近寄らず」ということか。下手な好奇心や野次馬根性は出さないのが一番。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ホラー
感想投稿日 : 2019年7月2日
読了日 : 2019年7月1日
本棚登録日 : 2019年7月2日

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