濱地健三郎の呪える事件簿

著者 :
  • KADOKAWA (2022年9月30日発売)
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本棚登録 : 395
感想 : 37
3

〈濱地健三郎〉シリーズ第三作。
あとがきで作家さんが触れられているように、どれもコロナ禍を舞台にした話になっている。
私も助手のユリエのようにコロナウイルスが目に見えれば良いのにと思ったことがあるので共感できた。
全体的にはシリーズ初期よりもホラー寄りの話が多かった。

濱地とユリエのコンビネーションはますます冴え、濱地にとってユリエは無くてはならない助手になっているようだ。だが一方でユリエの私生活にも気を配る良い上司でもある。
一方スーパー霊能者のようにあっという間に怪異を収めるものの、それが何なのか、なぜ起きたのかなど何もかもを解明できるわけでもない。これもまたあとがきにあるように、怪談とミステリーとの『あわい』を味わえる話となっているからだろう。

「リモート怪異」
タイトルはダジャレのようだが怖い。真面目な会議に子供やペットが入り込んでほのぼの笑える動画は時々見るが、こんなものまで入って来られたら堪らない。

「戸口で招くもの」
しばらく立ち寄らなかった小屋に妖しいものが。戸口でおいでおいでをするモノは何か。一目見てここまで推理できる濱地はやはり凄腕探偵。同じものを見ているユリエ(=読者)には思いつかない。

「囚われて」
こちらも想像と違う展開。実はこの人こそ最強では?

「伝達」
濱地の助けを必要とする人には、必ず濱地の元へ伝わるという奇跡のような話。一つの偶然が起こらないだけで濱地の助けは得られなかった。
それにしても『ふざけた語呂合わせになっている』という濱地探偵事務所の電話番号って何だろう。
そして濱地が怖いものとは。

「呪わしい波」
こんなに手の込んだことをしてまで…という、作り話のような話。まるで特殊詐欺のような犯罪で、わたしならその後に現れて解決してくれた濱地まで仲間じゃないの?と信じられなくなりそうだが、そこを信じさせたのはきっと濱地の人柄なのだろう。

「どこから」
冒頭は濱地とユリエがキャンプ地へ。アウトドアな濱地は想像出来なかったが、どんな場所でも隙のない濱地でちょっと面白くないような。
その後心霊スポット、豪邸へ行くがどこにでも怪しいものはいる。
『怪異はどこからやってくるか想像がつきませんね』
というユリエの言葉通り、キャンプ地だろうが家に籠っていようが、リモート会議をしていようが、どこにでも現れる。
やはり見えない方が幸せかも知れない。

※シリーズ作品(全てレビュー登録済)
①「濱地健三郎の霊(くしび)なる事件簿」
②「濱地健三郎の幽(かくれ)たる事件簿」
③「濱地健三郎の呪(まじな)える事件簿」本作

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ホラー
感想投稿日 : 2023年2月25日
読了日 : 2023年2月25日
本棚登録日 : 2023年2月25日

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