昨日まで読んでいた本がシリアスでハードだったので、今日はほのぼの系を。
フォローしているレビュアーさん方のレビューを読んで気になった作品。
今や見付けるのが難しいほど少なくなった純喫茶〈パオーン〉を舞台に、少年・来人(らいと)の成長を描く。
特に大きな事件が起こるわけではない(最終話はちょっとした事件だが)。来人の友人たちとの関係、年上の幼なじみの恋、自らの初恋など青春の一ページをコミカルにでもちょっとセンチメンタルも織り交ぜて進む。
魅力的なのは〈パオーン〉を営む来人の祖父母。似非方言を織り交ぜて話すのが癖のおじいちゃんはいい加減なようできちんと人を見ている。その上で見守る時、引く時、言うべき時を分かっている。こういうさじ加減はさすが四十年以上の商売経験、それ以上の人生経験があってのこと。
その中には苦しいこと辛いことあったはずだが、飄々とおふざけをしたり格好良い。
そしておばあちゃんの作るナポリタンやミックスサンドなどの純喫茶らしいメニューがどれも美味しそう。全てレシピなどなく長年のさじ加減で味付けが出来るというのもさすが。
少しずつ来人らが成長する一方で祖父母は年を取っていく。だが来人も一見頼りないがそうではない来人の父親もいるし、きっと大丈夫。世代交代しても〈パオーン〉の味は続く。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ドラマ 青春・成長・学校
- 感想投稿日 : 2020年9月17日
- 読了日 : 2020年9月17日
- 本棚登録日 : 2020年9月17日
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コメント 1件
kuroayameさんのコメント
2020/09/21