〈民主〉と〈愛国〉―戦後日本のナショナリズムと公共性

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  • 新曜社 (2002年11月1日発売)
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 かなりの力作。いままでの政治思想史では左翼(革新)が民主主義、右翼(保守)が愛国=ナショナリズムを担ってきたというのが定説だった。しかし筆者は50年初頭までは民主と愛国は決して分断された物ではなく、統合された一種の「ナショナリズム」が存在していたという。その代表例が今日では批判的に見られる丸山眞男だったという。
 進歩的知識人、戦中派知識人、戦後知識人で代表的な人物の思想を克明に描き出すことで日本の政治思想の軌跡を描き出すことに成功していると思われる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学・思想(政治思想)
感想投稿日 : 2012年9月1日
読了日 : 2012年9月1日
本棚登録日 : 2012年9月1日

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