やがて哀しき外国語 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1997年2月14日発売)
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本棚登録 : 3181
感想 : 215
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村上春樹のエッセイ集。アメリカ滞在中のもので、主にアメリカ文化を通して観た日本みたいな感じが多い。時期としては湾岸戦争辺りからクリントン初期くらい辺り。

例えば何か大事なものと自分の間に壁があっとして、村上春樹のものの捉え方というか文章は、その壁を少しずつ丁寧にハンドハンマーで丁寧に叩いていって、穴があきそうなところを発見して、そこを丁寧に掘って行くような感じがあって、そういう感じが自分が村上春樹を好きな理由なんだろうな、と思った。

ネットサーフィンをしていて普段読む文章は、壁をバズーカーとかで破壊しようとしたり、ただ壁をちょっと離れて神経質に観察するだけ、みたいなものが多くて、そういう意味でも古い本だけど新鮮で楽しく読めた。

20年位前の本なので、アメリカ文化のリアルな情報では最早無いような気もするけど、それでもなお読んで良かったなあ、と思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2014年5月1日
読了日 : 2014年5月1日
本棚登録日 : 2014年4月24日

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