村上春樹のエッセイ集。アメリカ滞在中のもので、主にアメリカ文化を通して観た日本みたいな感じが多い。時期としては湾岸戦争辺りからクリントン初期くらい辺り。
例えば何か大事なものと自分の間に壁があっとして、村上春樹のものの捉え方というか文章は、その壁を少しずつ丁寧にハンドハンマーで丁寧に叩いていって、穴があきそうなところを発見して、そこを丁寧に掘って行くような感じがあって、そういう感じが自分が村上春樹を好きな理由なんだろうな、と思った。
ネットサーフィンをしていて普段読む文章は、壁をバズーカーとかで破壊しようとしたり、ただ壁をちょっと離れて神経質に観察するだけ、みたいなものが多くて、そういう意味でも古い本だけど新鮮で楽しく読めた。
20年位前の本なので、アメリカ文化のリアルな情報では最早無いような気もするけど、それでもなお読んで良かったなあ、と思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2014年5月1日
- 読了日 : 2014年5月1日
- 本棚登録日 : 2014年4月24日
みんなの感想をみる