春ちゃんとはるちゃん、設定こそちがうが最近読んだ「ふたつのしるし」にそこはかとなく似ている気がする。離れていたものが出会ってつながりを認めることによって失われていた何かが快復するという、この感じ。
中年男性二人が主人公という設定ながら、なんとなく少女漫画風のノリというか、中学生みたいな恋愛だったりトモダチだったり、かと思うと小学生たちがやけに大人びていたり。おなじみの脇役たちも大活躍。
スラップスティックな展開でありながら、親子の関係、とくに親(主に母親)の愛って子供にとってときに残酷だという重たいテーマが根底にある。でもそのなかで、新しい家族のかたちというか、お互いの「よりどころ」であろうとする人々のつながりかたも提示しているので救われる。
おかえり、といってくれる人がいるというのはいいことだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
デジタル貸本
- 感想投稿日 : 2015年5月3日
- 読了日 : 2015年5月3日
- 本棚登録日 : 2015年5月3日
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