惜しいなー。最後、三代目のはなしは、残念ながら、蛇足っぽい気がしてならない。そこんとこよろしく、で終わってよかったんじゃないのかな。
泪、孤独、鞄に毛鞠を産み育てた万葉の一代記、戦後日本の社会と世相を、平成世代の孫の口を借りて語るというのはうまいと思う。万葉を嫁にとったおんな恵比寿様をはじめ、魅力的なキャラクターがたくさん登場する。
それが第三部になると、途端にスケールがちいさくなり、全てが色褪せてしまう。「自分はこの家に(或いは担うべき役回りに)ふさわしくないと悩む独白がくりかえしでてくるのだが、あまりにもドンピシャなため、そのとーりだよ、早くひっこめば?と思ってしまうのは否めない。
伝説は伝説のままでよかった。スケールのでかい話だっただけに、終章のご都合主義的まとめ方がとても残念。
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