ローマ人の物語 (38) キリストの勝利(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2010年8月28日発売)
3.88
  • (57)
  • (109)
  • (68)
  • (4)
  • (3)
本棚登録 : 878
感想 : 69
4

【内容】
コンスタンティヌス大帝の後、皇帝コンスタンティウスについて描いた一冊。
大帝亡き後、大帝の息子3人と甥2人で統治するようにとの遺言があったものの、まずは甥が排除され、その後、兄弟たちも、直接コンスタンティウスが手を下したわけではないものの、次々といなくなり、最終的にはコンスタンティウスが一人で、ローマを統治することになっていく。
コンスタンティウスは父親と同様に、キリスト教を奨励し、他の宗教を排除する方向にもっていく、これにより、ローマのキリスト教化が進み、ローマらしさが消え去っていく。
【得たもの?やってみること】
・特になし
【感想】
ローマ人の物語もいよいよ終盤になってきて、キリスト教にローマは占領されてしまう。
はじめは統治者の手段として、キリスト教が導入されたのに、そのうちキリスト教が主役をとってしまうようになるのは、宗教の力(価値観)は大きいのだろう。
ローマが滅んで、現在に至るまで、この時にキリスト教を導入したことが、歴史に連なっている。この時に別の選択がなされいればどうなったのだろう。
また、ローマでも最初はキリスト教を弾圧していた。日本でもキリスト教を弾圧した時期があったが、統治者にとっては、キリスト教の考えは危険な思想に見えるのは、東西で共通しているところが面白い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年6月14日
読了日 : 2011年7月25日
本棚登録日 : 2016年6月14日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする