島田裕巳「葬式は、要らない」のアンサー本なんですが。
上記の島田氏の主張内容のカウンターとしては、かなり力不足ですね。
当然、日本で一番有名な宗教学者の島田氏のフィールドワークの力と論文構成力はハンパではないので。
こちらの本は玄侑宗久やドラッカー・孔子まで引用してるのですが、活字ポイントの大きさに比して、引用部分が多く、あなたのオリジナルが少なすぎません?と言いたくなる。
引用(理論)を積み上げていって、最後は、え、感情論でまとめる!?(;・∀・)みたいなのが繰り返されてます。
葬式が必要というのはわかったのですが、主張からすると、必要なのは告別式ということではないのでしょうか。
以下の二点を明確にしないと、話しが進まないと思います。
1.宗教儀礼としての葬儀、
2.社会性としての告別式
必要な理由として主に挙げられているのは「2」の方であり、これは島田氏も否定しいないし、心配しなくてもなくなることはないと思います。
持論はありますが、この場では割愛します。
あと、気になったのは、人生最後のセレモニーとしての葬式という言い方。
本人がゲームオーバーなのに、最後じゃないでしょう。もう、終わってますよ。
この点をどう思うんでしょうか。
つまり、著者の宗教観が記されていないということです。
映画「おくりびと」を絶賛しています。
私も「映画館」で観ています。
いい映画でしたね。著者と価値観を共有することはできますが、さりとて本書にはまったく説得力は感じませんでした。
※現役の葬儀会社の経営者なんですから、そりゃ葬式は不要とはいえないと思います。単純に。
- 感想投稿日 : 2011年6月9日
- 読了日 : 2011年6月9日
- 本棚登録日 : 2011年5月15日
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