没後30年を機に復刊とのこと。ハードカバーの硬い手ざわりが、俗世とこの庭の間にくっきりと線を引いて封じ込めるよう。季節の花々の色彩と、錆びた鉄や石、流木、戦争の残骸の謎めいたオブジェが共存する庭。「ゲッセマネであり、エデンでもある」という場の息遣いが写し取られている写真集。
ページを繰るほどに痩せていくデレクの肖像。記録と思索が交じり合う随筆の間に、韻まで丁寧に訳された詩がある。1994年に亡くなった彼の庭を収めた写真たちは、当然デジタルではなくフィルムによるもの。なにからなにまで美しくて永遠で、本を閉じたあと鍵をかけたくなる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2025年3月15日
- 読了日 : 2025年3月15日
- 本棚登録日 : 2025年3月15日
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