デレク・ジャーマンの庭

  • 創元社 (2024年4月11日発売)
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没後30年を機に復刊とのこと。ハードカバーの硬い手ざわりが、俗世とこの庭の間にくっきりと線を引いて封じ込めるよう。季節の花々の色彩と、錆びた鉄や石、流木、戦争の残骸の謎めいたオブジェが共存する庭。「ゲッセマネであり、エデンでもある」という場の息遣いが写し取られている写真集。

ページを繰るほどに痩せていくデレクの肖像。記録と思索が交じり合う随筆の間に、韻まで丁寧に訳された詩がある。1994年に亡くなった彼の庭を収めた写真たちは、当然デジタルではなくフィルムによるもの。なにからなにまで美しくて永遠で、本を閉じたあと鍵をかけたくなる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2025年3月15日
読了日 : 2025年3月15日
本棚登録日 : 2025年3月15日

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