嵐の中の北欧: 抵抗か中立か服従か (中公文庫 M 266-1)

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  • 中央公論新社 (1985年4月1日発売)
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第二次大戦でノルウェーが学んだ教訓は、大国は小国の中立など少しも尊敬しなかったということ。まして、そこに戦略的地位と、交戦国に死活の利益をもつ経済活動が関係して来る場合はなおさら。

俗に言うフィンランド化は、国民の英雄的な抗戦があってはじめて勝ち得られた。力無くては何も得られないのが国際政治の現実。

スウェーデンがドイツの要求に抵抗出来るようになったのは、3年間の死に物狂いの軍備拡張の結果である。戦後もその軍事力を縮小せず、かえって全土を要塞化する重装備の針ねずみ国家を作り上げた。

デンマークは、たった4時間でドイツに占領された。デンマークは1920年代から血縁の隣国よりも国際連盟にすべての希望と期待をかけ、その過大な期待のため自国の防衛態勢には殆ど無関心のままであった。

中立維持がいかに難しいか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 安全保障
感想投稿日 : 2015年11月24日
読了日 : 2015年11月24日
本棚登録日 : 2015年11月24日

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