和歌とは何か (岩波新書 新赤版 1198)

著者 :
  • 岩波書店 (2009年7月22日発売)
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本棚登録 : 340
感想 : 33
4

和歌とは演技性を持つ行為だ、というのが著者の主張の骨子のようだ。
序詞や枕詞などのレトリックは、言葉を儀礼的な空間に呼び込むための技法だ、ともいう。
そういった技法は言葉に二重の意味を持たせるものであり、声が重なるような感覚をもたらすものだと。
歌の中で役割を演じながら、他者とのつながりを作り出す、ということらしい。

こう書いていると、わかるような気もするし、ちっとも腑に落ちない気にもなる。
本書では実際の和歌がやりとりされる空間のことも扱っていた。
具体的には歌合せや古今伝授、屏風絵の歌など。
こちらは具体性があり、読みやすい部分。

やっぱり実際の歌合せや贈答の場面が見てみたいなあ。
結局そういう感想に落ち着いてしまった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年7月27日
読了日 : 2017年7月27日
本棚登録日 : 2017年7月27日

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