和歌とは演技性を持つ行為だ、というのが著者の主張の骨子のようだ。
序詞や枕詞などのレトリックは、言葉を儀礼的な空間に呼び込むための技法だ、ともいう。
そういった技法は言葉に二重の意味を持たせるものであり、声が重なるような感覚をもたらすものだと。
歌の中で役割を演じながら、他者とのつながりを作り出す、ということらしい。
こう書いていると、わかるような気もするし、ちっとも腑に落ちない気にもなる。
本書では実際の和歌がやりとりされる空間のことも扱っていた。
具体的には歌合せや古今伝授、屏風絵の歌など。
こちらは具体性があり、読みやすい部分。
やっぱり実際の歌合せや贈答の場面が見てみたいなあ。
結局そういう感想に落ち着いてしまった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年7月27日
- 読了日 : 2017年7月27日
- 本棚登録日 : 2017年7月27日
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