本書は、電波とは何か、携帯電話が伝わる仕組みから説き起こされ、5Gに至るまでの変化を追いかける。
技術的なことに全く疎い自分にも、きちんと理解できる。
「電波が強い」とはどういうことか(振幅が大きくなる、周波数が高くなる)から、丁寧に説明してくれるのだ。
まず、その説明にわかりやすさがありがたい。
5Gをテクノロジーの黒船のように扱う論調も見かける。
たしかに、これから進んでいくであろうIoTに不可欠な技術であることはよくわかる。
岡嶋さんのいうように、自動運転の車で1秒通信が遅滞したら、えらいことだ。
一方で、一エンドユーザーとしては、5Gになっても、実際問題生活が大きく変わらない気もする。
これは本書の説明が悪いからではない。
いまだにスマートスピーカーに背を向け、個人情報を取られるのを拒んでいる私には、生活に関わる実感としてイメージできないからだ。
6Gで目指されるという無線給電が実現する話に、わくわくする。
そういえば、天野浩博士も、この技術の開発について講演で取り上げていた記憶がある。
テスラの夢が、現実になる、と。
至るところにネットワークがあり、私たちが至る所でセンサーとして入力し続ける。
幸福な監視社会がやってくるのかなあ?
これも何ともわからない。
もっとも、電力をこれからの時代、どう作るかが問題な気もする。
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- 感想投稿日 : 2021年1月2日
- 読了日 : 2021年1月1日
- 本棚登録日 : 2021年1月2日
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