早わかり世界の文学: パスティーシュ読書術 (ちくま新書 712)

著者 :
  • 筑摩書房 (2008年3月1日発売)
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本棚登録 : 108
感想 : 19
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清水義範さんといえば、パスティーシュ小説。
第一人者にして、その後続く人はいないのではないかと思われる。
その、パスティーシュという手法への自負が書かれた本だった。

「ユーモア小説」と言われてもいいけど、「パロディ」と呼ばれるのは抵抗があるようだ。
つまり、批判や批評したいのではなく、毒がなく、あの名作、この文章ってこういうことかと、すとんと腹に落ちる作品を書きたかったと。
う~ん、ご本人は嫌がりそうだけど、やっぱり清水さんって教育的なひとだなあ、と思う。

セルバンテスの「続ドン・キホーテ」が、別人による「偽ドン・キホーテ」を取り込んで展開した話は、強烈な印象に残る。
そんな面白いことがあったのね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年3月12日
読了日 : 2016年3月12日
本棚登録日 : 2016年3月12日

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