蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫)

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レビュー : 419
著者 :
gaha9さん 本棚   読み終わった 

1.蜘蛛の糸
冒頭の文章は好き過ぎて覚えてしまいました。
この作品は自分とっての芥川文学の原点です。
この作品は少年文学という括りでは語れない名作だと思います。

2.犬と笛
少年向け小説。姫君を助ける男の冒険活劇。

3.蜜柑

4.魔術
魔術師志望の男が魔術師になる資質を問われる話。
魔術師の使う魔術の描写が美しく引き込まれる。
蝙蝠の様に飛ぶ本。暖炉の炎。金貨。
夢オチ式の単純な話ですが、描写が優美でとても好きな作品。

5.杜子春

6.アグニの神
中国で行方不明になった少女を探す日本人。
誘拐した少女を利用して交信術でアグニの神を呼び出す印度の魔法使い婆。
解釈は人それぞれですが、少女を救うアグニの神が存在するのかしないのか、「運命の力の不思議なことがやっとわかった・・・」謎を残す終わり方が好きです。

今夜の計略が失敗したことが、
――しかしその為に婆さんも死ねば、妙子も無事に取り返せたことが、
――運命の力の不思議なことが、やつと遠藤にもわかつたのは、この瞬間だつたのです。
「私が殺したのぢやありません。あの婆さんを殺したのは今夜ここへ来たアグニの神です。」

7.トロッコ
懐かしい子供の頃の情景が思い浮かぶ作品。
子供が一人きりで見る町の宵闇のイメージがとても好き。
心細く冷たい空気までが良く伝わってくる。
懐かしい絵本童話の様に冷たい。

8.仙人
貧乏なマジシャンが乞食に同情して自らの不幸話を披露する。その乞食は仙人であったというオチ。
要するに暇を持て余した神々の遊び。そんな話。

9.猿蟹合戦
猿蟹合戦の「その後」を語った話。とても短い話だがかなり面白い短編。
次男蟹のその後についての逸話が特に面白い。
「勿論小説家のことだから、女に惚れるほかは何もしない。ただ父蟹の一生を例に、善は悪の異名であるなどといい加減な皮肉を並べている。」
最後の〆まで完璧。
「猿と戦ったが再最後、蟹は必ず天下のために殺されることだけは事実である。語を天下の読者に寄す。君たちもたいてい蟹なんですよ。」
この題材と数ページのボリュームでこんなにも面白い話を創作出来る芥川文学の素晴らしさ。

10.白
少年向け小説。白という名の黒い犬の話。

レビュー投稿日
2019年5月8日
読了日
2019年5月12日
本棚登録日
2019年3月25日
4
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