敬愛する北海道大学の武田雅哉先生の師匠にあたる中野美代子先生が、自身が翻訳した『西遊記』についてその中に隠された様々な謎について解き明かしていった本です。何の意味もない野菜を羅列した詩に隠された本当の意味や、洞穴や体内に入ることの意味など、学者として『西遊記』を裏の裏まで知り尽くした訳者でないと気付かない様々な謎が解き明かされてます。ただ、本書を読む前に中野先生が訳した岩波文庫版の『西遊記』を読んでおいた方が本書をより楽しめます。残念ながら私はそちらの方は未読ですので、この本の面白さの半分も分かっていないかもしれません。個人的には「玄奘のお供がなぜ猿なのか」は目からウロコでした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
東洋史
- 感想投稿日 : 2010年2月8日
- 読了日 : 2010年2月8日
- 本棚登録日 : 2010年2月8日
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