こちらあみ子 (ちくま文庫)

3.74
  • (76)
  • (117)
  • (99)
  • (20)
  • (7)
本棚登録 : 1243
レビュー : 151
著者 :
gaoさん  未設定  読み終わった 

あみこ、おそるべし。
その真っ直ぐ生きる強さは羨ましく思う。
私はけしてあみこが可愛そうとは思わない。
しかし、あみこに翻弄される周囲のみんなは哀れとしか言いようがない。
現に翻弄されず上手く関われている少年もいたのだから。
知的障害があるなしに関わらず、当たり前に固執すると、ありのままを受け入れられない、そんな人が、振り回され疲れはてるのではないか。
それって例外なくだれにも当てはまる。そんな人間の解決できない矛盾?悲しい性?みたいなものを今村さんの作品には感じる。

壮絶なシーン描写に度肝を抜かれ、思いがけないタイミングで小出しにされる登場人物の背景のネタバレに、読んでてうっかり声がでる。時には吹き出す。
「ピクニック」もありえへんけど、大なり小なりどこにでもありそうな。。
あみこもルミたちも結局は同じ、本音を隠さず孤立するか、人とうまくやるべく本音を隠して束になるか。どっち側になるか、人って誰しも本来そういう部分があるんじゃないかと。
そしてどっちがどうとも言えない。
孤立すると周囲からは変な奴扱いされるが自らが卑屈にならなければ自由でストレスもない。
本音を隠して多数に潜り込むと、他者から攻撃されず一先ず安泰だが、船頭が誤れば変な方向へ止めどなく流される。
皆と絶対うまくやらなきゃいけないの?通じあえなきゃ可哀想なの?
人って厄介な生き物だ。
むらさきのスカートの女でもそう思った。
この方の作品は、読み始めたらとにかく一気読み!

レビュー投稿日
2019年8月31日
読了日
2019年8月31日
本棚登録日
2019年8月5日
2
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『こちらあみ子 (ちくま文庫)』のレビューをもっとみる

『こちらあみ子 (ちくま文庫)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする