長い終わりが始まる (講談社文庫)

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本棚登録 : 604
レビュー : 73
garaさん  未設定  読み終わった 

これはにがい 未熟で幼稚な人間をこれでもかというくらい真っ直ぐ捉えて書く

その未熟さ故に譲れない部分がコミュニティの欺瞞だったり、狡猾さだったりする
でも、それは自分も持ってる
その持ってる事も逸らさず書く
だから苦い

ナイフの様な鋭いナオコーラ節に戦慄する

田中という男子大学生を好きになった小笠原
マンドリンサークルの仲間の二人
コミュニケーション能力の低い小笠原はサークルでも浮いている
男子学生からは浮く田中
でも、田中はそのコミュニケーション能力の低さを可愛さに変えて女子の仲良くする狡い奴

恋に幼稚で魅力のない小笠原をいいように利用する田中は本当に狡い

でも、小笠原も負けてばかりじゃない
ナオコーラさん独特のフェミニズム論が愉快だった
セックスの終わりは男の射精ではない
能動的に女子が決めてもいいんだ
この辺りのかっこよさが好き

音楽をするのが目的ためのサークル活動の手段が自分をどう見せるか?社会でどう生きるかという目的にすり替わる矛盾
人間がよく陥る矛盾の書き方が上手い

明確な終わりは自分で決定できないからこそ長い終わりが人生だと言える

ナオコーラさんの感性鋭さ
平易な言葉で心を抉られる
誰もが覚えのある苦さではないでしょうか
完敗

レビュー投稿日
2017年11月21日
読了日
2017年11月21日
本棚登録日
2017年11月21日
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