星々の蝶

  • 日本放送出版協会 (2008年7月25日発売)
3.71
  • (3)
  • (5)
  • (5)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 37
感想 : 5
4

発明家のイヴ・クラメールは、自動車事故をきっかけに太陽光帆船を造って地球を脱出し、選ばれた者たちを乗せて新しい世界でやり直すことを思いつく。何もかもが途方もないスケールのためなかなかスポンサーが見つからなかったが、ガンに侵された実業家・ガブリエルが興味を示し、スポンサーにつく。イヴが自動車事故で怪我を負わせてしまった女性ヨットレーサー、エリザベートを操舵手に迎え、途中規模をどんどん上方修正しながら計画は進み、「星々の蝶」と名付けられた宇宙船は地球を出るが・・・?というような話。
計画が立ち上がってから実際旅立つまでをかなり丁寧に描写しているのに対し、その後の1000年の描写は飛ぶように過ぎ、目的地に至ってからの新生活は滑稽ですらあり、それぞれの対比が面白かった。
崇高な理想を掲げ、あれほど人員を選りすぐっても結局悪の芽は摘みきれぬというか、争いにより文明レベルがどんどん後退していく様子は何だか物悲しかった。
しかもようやく目的地に至った人数といったら。すごい確率を勝ち抜いてようやく辿り着いたというのに、瑣末な諍いの末決定的な出来事が起きてしまい、ああこういうバッドエンドかよ、と思ったところから、予想外の展開になって本当にびっくりした。残り20ページほどであんなことになるとは予想だにしなかった。いい意味で裏切られた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2011年8月20日
読了日 : 2011年8月19日
本棚登録日 : 2011年8月20日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする