冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)

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本棚登録 : 8652
レビュー : 924
著者 :
雨深さん 辻村深月   読み終わった 

またやられた。やられました。
いつも違和感は感じていて、疑ってかかるのですが、最後はいつもしてやれらます。

考えてみれば、ヒントはかなり散りばめられているんですよね。
そして、そのヒントにも何となく気付いて、チェックをしている自分がいる。
でも、そんな自分の考えをはるかに上回る展開が、いつも待ち受けています。

辻村深月さんは、しれっと密かに文章に盛り込んでくるので、すごいです。
本当にさり気ない。


この物語のメイン人物は、8人の高校生たち。
物語の軸となるメインストーリーの要所要所に、一人一人にスポットを当てたストーリーが挟まれています。
その中で、各生徒の過去や、内に秘められたものがどんどん分かっていきます。

どの子のストーリーも好きです。
沢山言いたいこともあるし、いろいろと思うところもあります。
でも、やっぱり・・・うん。
この物語の中で一番重要なポイントは、「友情」と「個性」だと思っています。

友達ってなんだろう。
友達に何をしてあげられるだろう。
友達だから―。

自分ってなんなんだろう。
自分は何がしたいんだろう。
自分は誰かにとって―。

きっと誰もが、こんなことを考えてしまうのでしょう。

こういうことを、校舎の時を止めてしまったあの子は、随分と重く、深く、考えてしまったようです。
その結果、あの子は勝負に負けることになりましたが、でも大丈夫。
心強い友達がついていました。

あの子のまわりは、本当にやさしい人ばかりだなと思います。
そして、あの子もやさしい。

ここでいう「やさしさ」が、誰かにとっては「甘さ」になることもあるのでしょう。
もしかしたら、自己満足なのかもしれない。
そういった「怖さ」が、「やさしさ」には付き回るものだと思います。

でも、確かにあの子たちはやさしかった。
同時に、俺にとっては格好良かった。


あの子たちが、いつまでも元気でいられますように。
そして願わくば、みんなの進む道が、明るいものでありますように。

レビュー投稿日
2012年4月23日
読了日
-
本棚登録日
2012年4月23日
3
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