凍りのくじら (講談社文庫)

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本棚登録 : 12975
レビュー : 1581
著者 :
雨深さん 辻村深月   読み終わった 

さすが、ドラえもんファン。各章は、ドラえもんの出す道具の名前になっていました。
それだけではなく、ドラえもん、そして、藤子・F・不二雄さんは、物語の鍵になってます。
こんな風に、物語に絡ませることができるんだなぁ~と、ちょっと感動。
自分の知っている道具が出てくると、なんだか嬉しくなりました。

藤子・F・不二雄さんが言ったという、「SF」=「S(少し)F(ふしぎ)」という言葉から、主人公の理帆子は、「少し・○○」という表現をよく使うのですが、
その言い方を借りるなら、この作品は俺にとって「S(少し)F(フリージング)」、そして「S(少し)F(不意打ち)」です。
(フリージングはぞっとするとか、凍るほど冷たいとか、そんな意味の英単語です)

「少し・フリージング」と思ったのは、氷海に迷い込んでしまったクジラや、母との関係、友達、元彼、話せない少年など、
それぞれのエピソードの芯となる部分に触れるたびに、何だか背筋が凍るような感覚になったから。
普段人があまり踏み込むことのできない、奥底へ迷い込んでしまったような、
見つけた芯があまりにも繊細で、触れたら壊れてしまいそうな、
そんな気がしたからでしょうか。
でも、不思議なことに、どれだけひやっとしても、最後には必ずあったかくなる。
いいな、あったかいなって思えることが、散りばめられている。
だから「少し・フリージング」=「結構あったかい」ってことです。

それから、「少し・不意打ち」だと思ったのは、こう、ハッとさせられたから。
そこまで突然というわけではないけど、ちょっと心臓に悪い。
しれっと、ポロっと、つづられているその文章に、ドキッとしました。
(どんな文章かというと、いろいろ(笑) 読んだ人によって違うと思います)
それと、ある人の正体がわかった時、ずっと薄々と違和感はあって、いろんな可能性を考えていたけど、やっぱり少し不意打ち。
嗚呼、やられたなぁって感じ。

あれはどうなったんだろう、これはどういうことだったんだろうと、明確な答えが示されていない事柄もありましたが、
何となく想像ができるし、ヒントもある。
自分なりの答えを、そして、結末を考えたいと思います。

基本的に電車での移動中に読んでいたので、途中泣きそうになったのをこらえるのが大変でした。
これ以上はもう無理・・・!!!!!ってところで、慌ててそのページ飛ばしてしまった(笑)
家に帰ってから読んで、一人じっくり泣いたけど何か・・・?(笑)

レビュー投稿日
2012年4月23日
読了日
-
本棚登録日
2012年4月23日
4
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『凍りのくじら (講談社文庫)』のレビューへのコメント

koshoujiさん (2012年5月2日)

辻村深月さんの新作情報です。もうご存知なら読み飛ばしてください。
5月16日に文藝春秋から発売です。
図書館派でしたら、お早めにご予約を。
どんな作品なのだろう。期待八割、不安二割……。

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