申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

  • 大和書房 (2014年3月26日発売)
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感想 : 204
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MIT出身で、経営コンサルととして30年の実績がある著者による戦略性コンサル批判の本。

経営コンサルタントによる流行りの経営手法や評価制度による被害者たち、問題の本質をとらえずに建てた戦略計画におどらされたり、誤った対応で無くなった会社を例にして、ビジネスは人が主体であり、人の話を聞くことが重要だと説く。

著者は外注したコンサルタントによる経営戦略にビジネスモデルの意思決定を任せるべきではない。と言っている。
業界の動向や経済シナリオ、競合企業の強みと弱み、規制の変更、消費者の声をしっかり把握していれば、様々な状況に応じて柔軟に対応ができるようになる。
コンサルタントはプロジェクトが終わった後にノウハウごと撤収してしまうから、自分たちで頭を絞って考えた学習力と知力こそが財産になるだからだ。

また、評価制度に関しては結局答えは出ていない。
部ごとに設定される評価制度と、企業の目標が噛み合わないこと、部署によって目標が違うため、部署間の思惑が絡み合い、足の引っ張り合いになることもある。など。
現場の話も聞かずに無謀な数値目標のみを設定すると、人間が集計する、ということを忘れる。(だから達成のために過労死や粉飾が横行したり、長期目標は置き去りになる)

部署間のメンバー同士で話し合い、互いの仕事に対して理解しあうことが大事だということは納得だが、同じ割合の報酬にすればよいというのは暴論かな。。それって共産主義と同じじゃないか。

最近の流行りはマネジメントやリーダーシップのコンサルだが、色々なグループのリーダーシップ本を読んでも、人には適正があり、本にある全ての項目をパーフェクトにこなせる人物などいない。
結果、よいリーダーとは、自分の事をよく認識し、他人に共感し、話を聞き、柔軟性を示す人物。突き詰めると生きていくためのスキルである。=人間力。

途中からコンサルタントの話では無くなったが、この人が一緒に仕事をするチームのメンバーを信頼し、仕事が、楽しいという気持ちか伝わってきた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス・金融
感想投稿日 : 2018年2月12日
読了日 : 2018年2月11日
本棚登録日 : 2017年8月22日

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