本書を読む前の段階での、私の高島嘉右衛門に関する知識は、
・何だかすごい占い師である。
・横浜の高島町はこの人の名前から付けられた。
といつたところで、あまり詳しく知るところではありませんでした。
最初に高島嘉右衛門の名を見たのは、1970年代。あの五島勉著『ノストラダムスの大予言』がブウムになつてゐて、それに対する批判本『ノストラダムス大予言の秘密』の中であります。
この本の著者も実は高木彬光氏。五島氏は、どこからはじき出したのかノストラダムスの予言的中率を99%とし、「神か悪魔か」と祭り上げてゐるが、牽強付会ぶりがはなはだしいと高木氏は主張するのであります。
そして日本にも彼に比肩し得る大予言者はゐるとし、「出口王仁三郎」「高島嘉右衛門」の名を挙げてゐたのでした。そして本書につながるのであります。
財界人としては数々の起業に成功し、横浜市の発展に寄与したといふことですが、歴史の表舞台には出ないやうに意識して行動してゐたのでせう。名誉欲とは無縁だつたのか。
そして私財を惜しむことなく公共の事業のために差し出す。金銭欲も薄いやうです。そんな人は存在するのかと突つ込みたくなりますが、希代の易断家ともなると凡人には理解できぬこともあるのでせう。
ところで毎年「高島易断」の冠をつけて発売される「暦」の数々。あれらはほとんどがニセモノといふか、高島嘉右衛門とは関係ないのださうです。怪しからぬ話であります。
伊藤博文の暗殺と、その実行犯の名前の一部を予言したのは有名ですが、これは数多い彼の予言のひとつに過ぎません。本書にはもつとすごい予言が紹介されてゐますよ。といつてもあまり手軽に入手できませんが...
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- 感想投稿日 : 2011年12月5日
- 読了日 : 2010年8月7日
- 本棚登録日 : 2011年12月5日
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