文章読本 (新潮文庫)

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本棚登録 : 55
レビュー : 7
著者 :
源氏川苦心さん 日本の作家   読み終わった 

生誕100年を迎へた中村真一郎。ここでは、たまたま入院中に読んだ『文章読本』を取り上げます。
谷崎読本以来、色色な作家が『文章読本』を執筆してをりますが、丸谷才一氏は、各作家の『文章読本』は、少なくともその作家の最上のものではないと指摘してゐます。
特に川端康成による『新文章読本』は、何だか貧弱な感じさへします。尤も、これは代作ともいはれてゐるので、川端氏の著作とするには抵抗がある人もゐるでせう。

しかし丸谷氏は同時に、中村真一郎による本作については、(特に前半)示唆に富む内容であると述べてゐました。
確かに目次からして、他の読本とは違ひます。
即ち、「口語文の成立」「口語文の完成」「口語文の進展」「口語文の改革」の四章であります。
つまり、日本に於ける「口語文」の成長の推移を概観するのでした。なるほど、丸谷氏が褒めるのが分かる筆力であります。
その都度、例文をかなり長く引用します。実際、薄いこの書物にしては、かなり例文の分量が多いと申せませう。

筆者本人も述べてゐるやうに、文学志望の若い人向けではなくて、極極一般的な人々に対しての文章指南となつてゐます。これは掲載誌が文芸誌ではなくて、「ミセス」といふ既婚者婦人向けの雑誌であることも関係してゐると思はれます。
始めから文章力上達を期待せずに読むと、実に興味深い一冊であります。

http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-759.html

レビュー投稿日
2018年8月23日
読了日
2018年8月23日
本棚登録日
2018年8月23日
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