日本のいちばん長い日 決定版 (文春文庫)

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レビュー : 164
著者 :
源氏川苦心さん ノンフィクション   読み終わった 

終戦の日に相応しい書物と思ひ、『日本のいちばん長い日 決定版』を登場させます。といつても2日過ぎてしまひましたが。
長らく「大宅壮一編」として刊行されてきましたが、実の著者は半藤一利氏でありました。いろいろ大人の事情でさうなつてゐたのですが、現在は加筆されて「決定版」となり、満を持して半藤氏の著作として発表されました。
岡本喜八監督による映画版も観てをります。三船敏郎の阿南惟幾が切腹するシーンが目に焼き付いてゐます。

さて「日本のいちばん長い日」とは、1945(昭和20)年8月15日の事ですが、厳密には前日14日正午から、玉音放送の15日正午までの24時間となつてゐます。
本書では1時間毎に区切り、24章からなつてをります。7月下旬にポツダム宣言が通達されてから、受諾を受けることが決定するまでの間を「プロローグ」として、予備知識を読者に与へてくれます。

ポツダム宣言を受け入れるまでに20日近くかかつてゐます。この「最後通牒」を軽んじてゐた日本政府・軍部は、これを黙殺するのみであると決定しました。お陰で8月6日に広島、8月9日に長崎に原子爆弾が投下され、多くの命が失はれたのであります。無論それ以外にも戦場で多くの若者が死にました。怒りしかありません。

政府がポツダム宣言を受諾し、天皇が自らラヂオで終戦を宣言する、と決定しても、それを許さずといふ一派がクーデターを目論みます。日本の敗戦を認めず、近衛師団の森赳中将を殺害したり、ニセの師団長命令を出したり、玉音放送を阻止せんと、一時は皇居まで占拠します。
このクーデター集団の暗躍とその失敗が本書の眼目に置かれてゐるやうに思ひます。旧版に比して、かなりの新事実が加筆されてゐるやうです。その取材方針は好感が持てます。はつきりしない事項はそのまま不明としたり、事実を並べるだけにして結論を出さなかつたり。

わたくしが小説から離れ、ノンフィクション作品を多量に読むやうになる切つ掛けとなつた一作であります。12年くらゐ前でせうか。自分はまだまだ何も知らぬなあ、小説など読んでゐる場合ぢやないよと思つたのです。まあそれくらゐのイムパクトがあつたといふ事ですね。なるべく多くの日本人が読むといいなあと思ひました。デハまた。

http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-763.html

レビュー投稿日
2018年8月17日
読了日
2018年8月17日
本棚登録日
2018年8月17日
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