桜の森の満開の下

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本棚登録 : 526
レビュー : 79
著者 :
genshisyounenさん  未設定  読み終わった 

「桜の花の下から人間を取り去ると恐ろしい景色になる」という冒頭部分の文にいきなり意表を突かれた。「桜の花の下」にそのようなイメージを持っている人は少ないだろう。
情け容赦なく着物をはぎ、人の命を断つ山賊が主人公。山賊は、ある男の美しい女房を奪い取り、自分の妻にする。女は山賊が自分にぞっこんで自分の言いなりになることがわかり、山賊に首を集めてくるように要求し、その首で首遊びをする。ホラーじみた話であり、女が首遊びをする描写はかなりおぞましい。
山賊は女と一緒にいると不安に感じる。それは、桜の森の下にいる時と似ていると思った。山賊はその理由を考えようとはしないが、美しいものは永遠ではなく、儚いものであることを何となく感じているからではないだろうか。
女の願いにしたがって、山から都へ移り住んだ山賊だが、都のくらしになじめず、山に帰る決心をする。
「首」は人間の欲望の象徴だろうか。欲を求め続けているとキリがない。それを求める場所が「都」であり、それから自由になる場所が「山」ではないだろうか。
最後は、夢物語のような終わり方をする。
山賊にとって、桜の森の下とは何だったのだろうか、女の存在は何だったのだろうか、都と山の違いは何だったのだろうか、様々な解釈ができそうな物語である。

レビュー投稿日
2019年3月19日
読了日
2019年3月19日
本棚登録日
2019年3月19日
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