はじめてのアメリカ音楽史 (ちくま新書)

  • 筑摩書房 (2018年12月6日発売)
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先日読んだ『地図で読むアメリカ』が面白かったので、著者の一人ジェームス・M・バーダマンの旧著(といっても2年前に出たもの)を読んでみた。

アメリカ南部に生まれ育った研究者であるバーダマンと、英米のポピュラー音楽史に通じた評論家・里中哲彦の対談による、アメリカ音楽史の概説書。

これもとてもよい本であった。
19世紀から現在までのアメリカ音楽史を、一つの大きな流れの中に捉え直していく書。

対談形式なのでわかりやすく読みやすいが、内容はけっこう深い。目からウロコが落ちるような一節が随所にある。

『はじめての~』というタイトルから、初心者向けの入門書を思い浮かべる人が多いだろう。だが、実際にはむしろ、ロック、ジャズ、ソウルなどをそれなりに聴き込んだ人向けの内容だと感じた。
たとえば、「これまではJ-POPしか聴かなかったけど、これからは洋楽も聴いてみようかな」という10代が読んでも、内容があまり理解できないと思う。

2世紀余の間に生まれたアメリカ音楽を新書一冊で鳥瞰しようというのだから、当然、各ジャンルへの掘り下げは浅い。
ブルースで一章、ジャズで一章、ロックンロールで一章、ソウル、ファンク、ヒップホップは三つまとめて一章……という感じで、駆け足で語っているのだから。

それでも、各ジャンルの「肝」はちゃんと押さえている感じ。アメリカ音楽史を大づかみに知るための本としては上出来だ。

そして、アメリカ音楽史の背後には、アメリカの民衆史が鮮やかに浮かび上がる。

各章末にはその章で取り上げたジャンルの必聴盤を紹介するページが置かれ、簡便な名盤ガイドとしても使える。

登場した音楽で気になるものは、サブスクやYou Tubeで聴いてみる――という読み方をするとよいだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 音楽本
感想投稿日 : 2020年7月8日
読了日 : 2020年7月8日
本棚登録日 : 2020年7月8日

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