雑誌の人格

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本棚登録 : 845
レビュー : 77
著者 :
制作 : 能町 みね子 
前原政之さん エッセイ&コラム一般   読み終わった 

 さまざまな雑誌の「平均的読者像」を想像で創り出し、その架空人格を紹介することを通じて雑誌の魅力をあぶり出すという、卓抜な企画のイラスト・コラム集。
 祖父江慎およびコズフィッシュによるデザインも凝りに凝っているし、一冊の本としてクオリティが高い。

 惜しむらくは、取り上げられている雑誌の8割方が女性誌・少女誌・婦人誌であるため、私にはどういう雑誌なのかがよくわからないこと。
 当の雑誌のことがわからなければ、著者が文章とイラストに込めた細かいくすぐりも十分理解できないわけで、たぶん私には本書の面白さの半分くらいはわかっていないと思う。
 登場する雑誌のうち、私が愛読していたことがあるのは『SPA!』だけ。さすがに、そのページは隅から隅まで笑えた。

 それでも、雑誌好きの1人としては十分に楽しめた。女性誌にくわしい読者ならもっと面白く読めるだろう(元になっているのは『装苑』の連載コラム)。
 次はオジサン雑誌を中心に取り上げた続編が読みたいところだ。

 随所に感じられる著者の観察眼の鋭さ、皮肉の毒としなやかな批評性は、往年のナンシー関を彷彿とさせる。

 ただ、ナンシーの消しゴム版画が似顔絵としても高度だったのに比べ、能町みね子は似顔絵はヘタだな。イラストとしてはすごくいいんだけど、有名人の似顔絵を描かせるとまるで似ていない(佐藤浩市の似顔絵を見てデヴィ夫人かと思ったほど)。その点だけが玉にキズ。
 まあ、著者としては、ナンシー関と比べられたら迷惑かもしれないが……。

レビュー投稿日
2018年10月14日
読了日
2013年12月31日
本棚登録日
2018年10月14日
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