カヴァーズ~ヴェントリロクイズム

アーティスト : ミシェル・ンデゲオチェロ 
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感想 : 1
5

 1980年代~90年代前半の名曲/ヒット曲のカヴァー集である。
 リサ・リサ&カルト・ジャム、TLC、ジャネット・ジャクソン、ティナ・ターナー、シャーデーなどの曲が取り上げられ、ミシェルの「孤高のアーティスト」というイメージからすれば意外にポップな選曲になっている。

 ミシェルは以前にも、アース・ウインド&ファイアーのトリビュート盤で、大ヒット曲「宇宙のファンタジー」を原曲とはまったく異なるイメージに仕上げた。カヴァーであっても、独自の解釈で「自分色に染め上げる」のがミシェル流なのである。

 本作もしかり。きらびやかなヒット曲が、深い精神性を具えた静謐なオーガニック・ソウルに生まれ変わるなど、「俗から聖への昇華」ともいうべきカヴァーが多い。「腹話術」を意味するアルバム・タイトルのとおり、取り上げたアーティストの姿を借りつつ、じつはミシェルの声で語りかけるカヴァー集なのである。

 聴きどころに満ちたアルバムだが、とりわけ素晴らしいのは、ミシェルが敬愛してやまないプリンスの「Sometimes It Snows In April」のカヴァー。
 いまは亡きプリンスに、万感の思いを込めて語りかけるような絶品だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 洋楽(アメリカ)
感想投稿日 : 2018年12月26日
読了日 : 2018年3月21日
本棚登録日 : 2018年12月26日

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