猫はツンデレだ、などと言われることがある。犬はあんなにも飼い主に忠実なのに、ネコはどうしてわがままなのか。
この本は、そんな生き物達の様々な不思議な行動の謎を解き明かした、傑作随筆である。紹介されている生き物達は、蜂などの昆虫から雀、表題の猫など多岐に渡る。
著者の日高敏隆さんは動物行動学(エソロジー)の泰斗であり、その分野のこの国における草分け的存在と言える。この他にも様々な一般向けの啓蒙書を書いており、また、ローレンツの「ソロモンの指輪」やドーキンスの「利己的な遺伝子」など海外の名著の翻訳などもしている。
そんな一流の学者が書いた本である。面白くないわけがない。読んでいる途中は終始関心のしっぱなし。読んだ後は、生き物達への見方が変わる。一つの生き物に割いているページが4ページ(内1ページは挿絵)となっており、気軽に読める所も長所である。
日高さんは2009年に残念ながら亡くなられたそうだが、私は今更ながらこの人にハマってしまった。急いで他の著作も探してこよう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
科学・数学
- 感想投稿日 : 2012年10月31日
- 読了日 : 2012年10月31日
- 本棚登録日 : 2012年10月31日
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