女方も立役も自在に演じ分ける菊五郎の魅力を「色気」というキーワードで追いかけた本書は、名跡の歴史をひもとき、七代目尾上菊五郎の代表的な舞台を詳しく解説することで、歌舞伎そのものへの格好の入門書ともなっている。私の菊五郎体験はNHK大河ドラマの義経役(昭和41年)からはじまるけれど、舞台を見たのは数えるほど。それでも読み進めるほどに、七代目の芸を媒介にして、歌舞伎のおもしろさ、奥深さに引き込まれてゆくようなのは、書き手の手柄だろう。
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技芸
- 感想投稿日 : 2008年3月19日
- 読了日 : 2008年3月19日
- 本棚登録日 : 2008年3月19日
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