尾崎翠 (KAWADE道の手帖)

  • 河出書房新社 (2009年6月18日発売)
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本棚登録 : 81
感想 : 8
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一瞬にして輝きを放つ花火のように、凝縮した時間の内に才能を輝かせ、貴重な数少ない作品を私たちに残してくれた尾崎翠。

彼女の生い立ち、主な作品、そして写真などが満載の本書は、尾崎翠ファンにとってまさに待ちのぞんでいたものといえましょう。

「第七官界彷徨」で不思議な魅力にはまった私にとっては、尾崎翠さんっていったいどんな人だったんだろう?ととても興味があり、迷わず購入。

恋愛のこと、病気のこと、薬中毒のような状態だったことなど、尾崎翠の短い作家生活の中で、「そうかー。そういう状態であの不思議な幻想的な作品が生まれたんだ・・・」と納得できた気がしました。

本来、作品はあくまで作品であり、作家の日常などとは一線を画したものであるのはわかっていますけれども、尾崎翠に関してはなにか、存在自体が作品と切り離せないように勝手に思っていて、個人的にはよくぞこういう形でまとめてくれたなあと、ありがたかったです。

読書状況:いま読んでる 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2010年2月21日
本棚登録日 : 2010年2月21日

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