間違いなく凡人ではない小澤さんの超良書。
たしかに、書いてあることの多くは凡人でも出来ることであり、ビジネス成功の方程式として再現性が高い。
▼事業成功のコツ
・新しい事業を立ち上げるのに最も必要な能力は「とにかく執行力」。極論、事業のアイデアは誰からでも出せる。アイデアより大事なのは『執行力』であり、当たり前の事を異常にやれば勝てる。
・アイデアを埋めないから、創造性に乏しいから事業家として優秀じゃないかというと全くそんなことない。どうやってやるかというエグゼキューションが大切。
・目指すべきゴールを定めて、情報を死ぬほど集めて、正しい優先順位をつけたDOを実行して、ゴールに向けて何度も戦術を変えて突き詰めていく。
・ゴールの「51点」を決める。何を達成するかを簡単な言葉で明確に定義する。まず51点をクリアしてから、積み上げることを考える。
・適切な打ち出し角度を決める。
※打ち出し角度※
従業員に何か新しい事業計画を出してと指示を出したとします。でも、それって最悪の指示なんです。
受けた相手は、「どうしたらいいんですか」と頭を抱えてしまう。だから、角度を決めてあげるこが大事なんです。
ゴルフ場にはティーグラウンドがあって、グリーンがあって、全体を4打でホールに入れたらパーだというルールがあるから、頑張れる。
ところが、野っ原にゴルフクラブとボールだけ渡して、「遊んでいいよ」と言われても、よほど創造力のある人でなければ、ゴルフというスポーツにはなりません。
だから、ある程度の見取り図を教えてあげる。例えば、あっちの角度に向かってクラブでこうやって打つ競技だよ、と決めてあげることが重要です。それによって、初めてみんな頑張り方が分かるわけです。
「打ち出した角度」が本質的に間違っていなければ、事業はそんなに間違わない。事業の最初は360度打ち出せてしまうから角度を決めることが肝要。打ち出し角度は、課題の本質をわかりやすく端的な言葉で表現する。事業は走り出す方向性次第で出てくる発想も変わる。
・目指す方向や解決策を端的なフレーズで表現することで、周囲に浸透しやすくさせる。加えて、目標に至るまでのプロセスを数値化して測定できるようにして、達成度合いを客観的に評価できるようにする。
・打ち出し角度は意思決定の判断基準になる。
・打ち出し角度が決まれば、課題やユーザーの根源的ニーズのセンターピンを見つけ出して、センターピンに向けて優先事項を決めていく。センターピンを倒せるものが、最優先事項になる。
・Howは試行錯誤とスピードの勝負。それ以外は打ち出し角度さえあっていれば、何もいらない。とにかく試行錯誤とスピード。1発成功はあり得ない、大事なのはリカバリー回数。
・戦略は原則として変えないけど、戦術は間違えたと思ったらいくらでも変えろ。
・失敗には作法があり、「打ち出し角度とセンターピンを決めて忠実に実行する」「必ず余力を残して失敗する」の2つ。
▼情報収集のコツ
・成功の要因は、考えるのではなく、調べる。新規事業は真っ暗闇、情報というライトで自分の進む道を照らす。網羅的に情報を集める。
・とにかく幅広く情報を集めることから始める。
・自分が何を知りたいかを明確にする。そうすれば正しい問いを投げることができるようになる。
・大量の情報を、マトリクスのようにカテゴリ分けする。
・成功要因を要素分解して分析する。全体像把握と要素分解は、戦略を立てるうえで欠かせない。
・インプットの量が多いほど、判断の精度は上がる。
・どんな事業も全体像を把握せずして、ゴールを目指すことはできない。
・徹底的に情報を集めると、成功しやすい戦略策定と本質的な課題抽出、そして人に合わせた言語化できるにようになって人を巻き込めるようになる。
▼市場について
・市場がでかいか
・市場が拡大している
・市場規模が小さくても寡占できれば勝機はある
・市場シェアはどうか。儲かっている企業がいると可能性がある。寡占市場は難易度が高い
・デジタル化は進んでいるか。デジタル化が遅れていればチャンスがある。
起業家の多くが自分がやってきたことの延長線上や角度5度くらいで見ている。ビジネスは360度見るべき。経験したことのない分野にも意識的に視野を広げる。
▼伝え方
・組織に戦略を伝えるときは、わかりやすく表現する。明快なフレーズにお押し込んで、なぜそれをやるのかを腹に落とす。
・人を動かすのではなく巻き込む。人を面白がらせて、巻き込め。リーダーに必要なのは言葉の分かりやすさ。多くの人に動いてもらう。
・「利益◯億円」といった数字だけを掲げるのは絶対にNO。誰も数字のやめに働いていない。数字を達成することに対して、社員はモチベーションがない。
・経営陣が達成したい気持ちはわかるし、幹部層で数字を握るのは賛成。しかし数字を見せるほどに社員は冷めていく。これは絶対。
・どうせなら、現場の社員にはもっとワクワクする希望をもたせるような言葉を伝える。
・特に戦略は、わかりやすく伝える。現場で柔軟に戦術を変えられる、それでいって打ち出し角度は変わらないような言葉。
▼その他
・企業は人で書け。会社はリーダー次第で強くも弱くもなり、経営者の哲学が反映された集合体に過ぎない。
・うまくいかない前提にたって、成功する確率を高める。
・人生経験の全てがリサーチになり、リサーチに活きる。人間の根源的欲求を考える。
・人間の能力は大した差がない。したがって当たり前のことを徹底的にやる。
・プロフェッショナルや専門家たちの助言は過度に信用しない。いくらでも掌返しをしてくる。常識は常にアプデし続け、情報を獲得し続けないといけない。
・競争がゆるい環境に強敵を放り込むと、もともと弱かった者が自分自身を強化して強くなることをナマズ効果と呼ぶ。組織が停滞したら、ナマズをいれる。組織を活性化させるには、あえて混乱を持ち込むのもあり
・ふつうのことを異常にやると突き抜ける。
・トップが諦めずに執着して続ける、そうすると懐疑的だった周囲も変わってくる。
・突き抜けた事業を作りたければ、どこかの数値を異常値にしろ。どこを異常にするかを常に考える。
・率先垂範。課題解決の手法まで考えて部下を導けないなら事業家ではない。
・宴会幹事は最高の仕事であり、最高にビジネスマン成長のチャンス。人間力の大きく上がる。
・何をするにしても、かならずあらかじめ答えをもっておくこと。
・成功体験は、成長を加速させる。
▼この機会に新規事業系で良かった本メモ
- インサイト中心の成長戦略
- 新規事業を必ず生み出す経営
- 新規事業の実践論
- サイバーエージェント 突き抜けたリーダーが育つしくみ
- 感想投稿日 : 2025年2月25日
- 読了日 : 2025年2月24日
- 本棚登録日 : 2025年2月24日
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