2巻になって、ようやく人物の名前も覚えてきて、面白くなってまいりました。戦争の方は主にアウステルリッツの戦い、平和の方は、ピエールの決闘やら戦後のニコライ、アンドレイの生き方などでしょうか。それぞれのドラマがとても面白いです。
戦争映画は21世紀になってCG技術の発達により、リアルに描写されるようになりました。しかし、意外と小説以上に戦争の物語を描ける媒体は無いのかもしれません。この小説で描かれる戦争のかっこよさ、そして悲惨さ、歓喜と絶望、人間という存在のちっぽけさ、そんなとこまで隅々まで描けた映画はまだ存在していないと思います。
また、この文庫本ではアウステルリッツの戦いの戦闘の図解もあったりして、まあそこまで理解できませんけど、ああニコライとアンドレイはこのへんにいたのねー、と理解の手助けになります。
人間ドラマの点でも、脇役のドーロホフの意外な一面、また一転して残酷だったり、デニーソフの病院に1巻で活躍したトゥシンがいたり、多数の登場人物の運命や、女性たちの姿(トルストイは女性の書き方が的確だと思う)もそれぞれ個性的で面白いです。悪女?エレンもそれなりポリシーがあるような気がして、嫌いにはなれませんね。
まだまだ子供のナターシャやソーニャの恋の物語もこれからどうなるのか楽しみです。で、岩波文庫はネタバレをしないようにしてほしいですw
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
2017年読んだ本
- 感想投稿日 : 2017年1月14日
- 読了日 : 2017年1月14日
- 本棚登録日 : 2017年1月14日
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