夜間飛行 (新潮文庫)

3.61
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本棚登録 : 3492
レビュー : 283
制作 : 堀口 大學 
ぎんこさん 2015年読んだ本   読み終わった 

「人間の土地」を読む必要があったので、ついでに本書も読みました。昔、1度読んだような気がするのですが思い出しません…。
今回しっかり読んで、とてもよかったです。「夜間飛行」は飛行士が主人公というより、飛行機会社の社主リヴィエールが主人公。彼は50代で白髪、腰痛もちの中年男(この当時だと老年といってもよかったのかもしれません)が、使命感のある、とても厳しい優しさを持つ男です。自分にも厳しいし、部下にも厳しく接します。しかしそれは飛行士に優しさを向けると、いざという時に判断が鈍ってしまうため、命がけの男たちとの信頼を保つための厳しさなのです。そのストイックさはかっこよすぎです。(モデルがいるそうです)
「夜間飛行」は作者が書き上げたとき、倍の枚数があったそうですが、削るだけ削って完成したそうで、そんな研ぎ澄まされた、結晶のような輝きのある傑作だと思います。

「南方郵便局」は作者の処女作ですが、あまり評判が良くないみたいです。珍しく男女の恋愛ものであり、昔のフランス映画みたい…。しかし、亡き友人の思い出が入っている作品でもあるし、航空の連絡文?の入った構成もかっこいいです。最後の一文は痺れます。
訳者の堀口大學も、「南方郵便局は精読が必要」と褒めているので、何度か読み返すといいかもしれません。

レビュー投稿日
2015年6月24日
読了日
2015年6月19日
本棚登録日
2015年6月19日
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