人は語り続けるとき,考えていない: 対話と思考の哲学

  • 岩波書店 (2019年10月25日発売)
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感想 : 9

時々読み返したいなと思う。

私たちが語る言葉は、他者の言葉を借りたものに過ぎないのかもしれない、言葉は流通しているだけかもしれない、という。そうなのかもしれない。ただ筆者の言葉を借りれば、我々の言葉は一種の借り物でもあったとしても、色々なものを組み合わせて、色々格闘してその本人の言葉(って何?そもそもそんなのあるのって話なのだろけど)になっていると感じるか、誰かの何かの安易な完コピに近くてすごく嘘くさい感じがしてしまうかっていうのは、あるような気がする。生成AIなんて出てきて、オリジナルってなんだってことになりそうだし、自分らしい言葉を格闘して表現しようとする文化はますます衰退している感じもあるのだが・・。

問いと共にいきるべき、という言葉が印象に残った。その姿は不安げで人に不安を与えるか、否、「…(それは)事象と対象にどこまでも付き合おうとする愛に満ちた態度である。」という表現に救いを感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年7月17日
読了日 : 2023年7月15日
本棚登録日 : 2023年7月15日

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