地球温暖化の影響かどうかわからないが、今年2012年の秋は11月になってモクセイの香りをかいだ。モクセイの香る季節になると、この本を思い出す。
「お前はどうだ?」ふた呼吸ほどして岡安は静かにきいた「風の肌触りに秋を感じたり、送られてる花のにおいを楽しんだりしたことがあるか…」…。栄二を慰めるように話をした後、岡安はこう締めくくった。「お前は気がつかなくとも、このさわやかな風にはモクセイの香が匂って居る、心を沈めて息を吸ってみると、お前にもその花の香りが匂うだろう、心を沈めて自分の運不運をよく考えるんだな。…さぶやおすえという娘のいることを忘れるんじゃないぞ。」
この本を手にしてから30年以上の年が経つが、今でもこの季節になり、秋風に金モクセイの香りをかぐと、また1年が経ったことに思い至る。そして、私の見過ごしてきた多くの優しさに取り囲まれている自分にふと立ち戻るものである。ああ、みんな元気にしてるだろうか。。・°°・(>_<)・°°・。
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- 感想投稿日 : 2012年11月8日
- 読了日 : 2012年10月13日
- 本棚登録日 : 2012年10月13日
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