洪水で木の上に打ち上げられたボートをめぐる話という設定に指名手配犯と少年がからむという不思議な話。意外性はあまりないのだが興味が途切れない。
普通だといい人、悪い人というキャラクターが固定化されて展開も読めるのだがここでは単純化しないのでかえって展開が読めなくなる。マッドとジュニパーの恋を純愛と主人公のエリスは勘違いするが、実際はジュニパーは浮気症で、彼女の前に現れる男性をマッドはけちらしているという腐れ縁みたいな関係。ジュニパーは人の愛を裏切る女性のように描いているが、別れを告げて泣いていたりする。マッドは自己中心的なだけと見えて、自分の命にかえてエリスを救ったりする。
両親は子どものことを無視したケンカをしているだけのように見えて、とりわけ父親はだらしなかったり頼りになったりもする。
隣人のトムもマッドの手助けを断るのだけど最後は助太刀する。こうしたキャラ設定に幅を持たしてことで話がどちらに転んでもいいようになって、少年成長物語、恋愛ドラマ、アクションドラマどの道も選択可能な魅力的なドラマになっている。
タランティーノベテステン2013 3位。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
映画
- 感想投稿日 : 2015年5月24日
- 読了日 : 2015年5月23日
- 本棚登録日 : 2015年5月23日
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