マスードの戦い (河出文庫)

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本棚登録 : 80
レビュー : 7
著者 :
GMNTさん ノンフィクション   読み終わった 

 昨年の後半に読んだ本の中では、この『マスードの戦い』と檀一雄の『檀流クッキング』がベスト2で面白かったです。
 これまた20代の後輩に、「モスクワオリンピックの時に西側諸国がボイコットして、柔道の山下泰裕が泣いてたの観たことあるでしょ?」と言ったら「山下って誰ですか?」などと・・・。いや俺もはっきりと記憶があるのはロス~ソウルぐらいからだけどさあ・・・山下すら知らんとは・・・モスコウ!モスコウ!真田一球!魔女っ子チックル!ガイキング!!

 というわけで『マスードの戦い』、もっともっと読まれて然るべき本だと思うんですが、ブクログで登録されてる方が意外と少ないのでお薦めしときます。
 もしかしたら2001~2年頃、同時多発テロ直後にけっこう読まれてたから最近は読む人が少ない、ってことなのかもしれません。ですが、最近よく報道されてるイスラム国のことや、先月オバマがアフガンでの戦闘任務終了宣言をしたことなど、今に至るまでずっとつながっていることですし、この本を読むとアフガン情勢については8割ぐらいわかるんじゃないのかな、という気がしています。のこりの2割、調べて補完してほしいのはサイクス・ピコ協定(三枚舌外交)まで遡ることと、あとイラン革命についてかなと。
 
 かくいう僕も、北部同盟についてはよく耳にしてたけどアフマド・シャー・マスードについては数年前まで知りませんでした。マスードについての映画が作られて欲しいんだけど、それは叶わないんでしょうね。『アルゴ』とかはアメリカだと評価されやすいけど。マスードのことを知ってから中東史がめちゃくちゃ面白くなりました。
 この長倉さんの『マスードの戦い』は、オーウェルの『カタロニア讃歌』、キャパの『ちょっとピンボケ』、開高健の『ベトナム戦記』などと並んで、もっと評価されて良いんじゃないかと思います。というのは、マスードに密着取材した本というのは殆どないんじゃないか、そしてその一次資料が日本人によって書かれているという点で非常に貴重だからです。
 マスードが生きていたら、現在のアフガンや中東情勢ももっと違ったものになっていたんじゃないかと思うと残念でなりません。

レビュー投稿日
2015年1月7日
読了日
2014年12月26日
本棚登録日
2014年12月16日
2
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