記憶とは、本当に過去にあった事実ではなく、後で入ってきた情報や現在の心理状態の影響を受けて刻々と姿を変えてしまうものである。書き換えや植え付けが可能でさえある。アメリカで1980年代後半から90年代にかけて精神分析家が掘り起こした抑圧されていた記憶によって被虐待を語り、訴える事件が多発した。記憶の不確かさ、曖昧さを自覚せずに、一貫性や同一性があるものだと考えがちである。本書を読んで自分自身の記憶を絶対視するのはやめようと思った。自分自身は正しいという思い込みは問題を起こす。
ロフタスのショッピングモール実験やピアジェの思い込みなど心理学的実験や有名なエピソードについて書いてあり、とてもわかりやすかった。
人間の心ほどおもしろいものはないと感じる。
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- 感想投稿日 : 2019年8月16日
- 読了日 : 2016年8月13日
- 本棚登録日 : 2019年8月16日
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