「最初にハッキリさせておきます。新幹線は、良いものです。」
冒頭のこの一文がすべてを物語っています。筆者の「新幹線が好きな気持ち」があふれ、読んでいる最中ずっとイイ気分でした。
僕は幸運にも2011年2月26日の九州新幹線試乗会に当選して以来、新幹線と鉄道に人生の一部を囚われてしまいました。
あれから1年半とちょっと(読後当時)が過ぎましたが、新幹線への憧憬はますますつのるばかりです。
最初は試乗したという親近感から。やがて形状に魅せられて、今や機能、歴史、在来線、鉄道員など彼の周辺も含めてすべてが知りたくなっています。ようするに恋をした(笑)
この本は敬愛すべき鉄道ファンの諸先輩方にはおそらく常識で物足りない内容かもしれない。でも僕みたいなのにはピッタリです。1959年の新幹線建設開始から2011年九州新幹線全線開業までがこの一冊に凝縮されています。
新幹線は「0系」とか「500系」とか「N700系」という記号で呼ばれますが、この意味がやっと明確にわかりました。ほかにも各新幹線の特徴のほか、安全対策、開発秘話、路線、駅名などなど、ちょうど気になりかけていた新幹線への疑問がズバリ回答されてます。
しかも単に説明というワケではなく経緯や歴史を踏まえて書かれています。なぜそうなったのか、ならないといけなかったのか。ドラマとしても面白いんだ。
もう新幹線を冷静に見ることはできません。僕はいまや君の栄光だけでなく、苦労や苦悩の道のりも知ってしまったから。ああ、君の姿を見かける度に胸がじんと熱くなる。(←気持ち悪い)
出会うべき本と出会うべきときに出会えるとは、なんと幸運なことやのう。
- 感想投稿日 : 2013年1月4日
- 読了日 : 2013年1月4日
- 本棚登録日 : 2013年1月4日
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