城を噛ませた男 (光文社時代小説文庫)

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レビュー : 16
著者 :
gocciさん  未設定  読み終わった 

タイトルは「城を噛ませた男」だけど、短編集なので
ここの感想とかそうゆう類のものを書こうかな、と。

見えすぎた物見…
小さい集落である佐野家。そんな佐野家の筆頭家老である宝衍の話。
当時の各勢力に、のらりくらりと応対しているのに対してお家を守るという義の塊なのではないかと。
外様大名として生き残った佐野家だけども、この物見の仕事が出来過ぎる感が遺恨の原因となり
結果的にお家取り潰しという何とも皮肉な話。
宝衍の頑張りも確かによくわかるが、何でも頑張りすぎちゃいかんな…とか。

鯨のくる城…
北条家の傘下である伊豆国雲見の海での戦い話。
鯨漁を主に生活している長、高橋丹波守のとんちにもに似た実に豪快な話。
秀吉の水軍に立ち向かうため、こちらたちの集落も戦わなければならなくなるけど
鯨漁を利用して撃退していくその様が清々しい。
最後の文面に「鯨取りの親方と馬鹿にされながら、伊豆侍の意地をつらぬき、下田城に籠る兵の命を救った上、雲見の地を守り抜いた丹波という男」
スッキリ後味の良い作品。

城を噛ませた男…
この本の表題にもなっている作品。
ご存知であろう真田幸村の父、真田昌幸の話。
国を守るため、自分の所有している城を敵方に取らせるという知略でとにかく頭がいい。
真田太平記を読むとこの昌幸の凄さがよくわかるけど、これはこれでまた違う一面が見えるというか。
城を噛ませた男というタイトルに実にふさわしいと言っても過言ではないと思う。

椿の咲く寺…
可愛らしいタイトルに全く似合わない悲しい話。
徳川家康に破られた武田家。その家臣であった今福家の残された人々話だけど、最後の最後に仰天。
こんなのありですか?みたいな。
なんとも言えない残酷っちゃ残酷だけど、全うした彦蔵はすごいなとか。結果的に切ない。

江雪左文字…
この本の中で唯一時系と場所が記載してあって、その場面によって異なるような。
人の記録を見てるようなそんな感覚。
北条に仕えて、家康に仕えて関ヶ原でやってやったぜ!話なあるけど
これはこれで面白いし、駆け引きと心境が変化していく様というか。
左文字を渡すとことか、小早川秀秋とのやりとりとかもそうだけど江雪のお家が明治維新まで残ったのも初めて知った。

レビュー投稿日
2014年12月1日
読了日
2014年12月1日
本棚登録日
2014年11月20日
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