家守綺譚

著者 :
  • 新潮社 (2004年1月30日発売)
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本棚登録 : 3787
感想 : 659
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友人高堂の家守として過ごす売れない小説家綿貫と、近所の人々(それから神々)の季節感あふれる交歓記録。
綿貫の来る者拒まず去る者追わずな姿勢が、いろんなものを呼び込んでいる気がする、が、それは彼にとって何でもないことのようだ。
細部に描かれる花や植物によって鮮やかな季節が思い描ける。これほど美しい自然の中で暮らしてみたい、と思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2012年11月6日
読了日 : 2012年11月5日
本棚登録日 : 2012年11月5日

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コメント 2件

まろんさんのコメント
2013/02/15

はじめまして。フォローしていただいて、ありがとうございます!まろんです。

『家守綺譚』、四季折々に読み返したくなる、大好きな本です。
床の間の掛軸からボートを漕いで現れる高堂に始まって
物語全体を包む水の気配というか、独特の湿度が素晴らしくて
だからこそ、登場する樹木や花も、あんなに生き生きとしているのでしょうね。
装幀も、とても美しくて。

お気に入りの作家を、丁寧に読み込んでいるはいねさんの本棚にくらべて
私の本棚は、歳に似合わずかなりミーハーでお恥ずかしい限りですが
今後とも、どうぞよろしくお願いします(*^_^*)

はいねさんのコメント
2013/02/16

>まろんさん
リフォロー&コメントをありがとうございます!
狭く深くの穴掘りドリル型読書に限界を感じ、読書の幅を広げねばと思っていたところにまろんさんの本棚に出会い、思わずフォローさせていただきました。
幅広く、かつ大量の本を読破なさっていて羨ましい限りです。
レビューも丁寧で、それぞれの本の素晴らしさがまっすぐ伝わってきます。
まろんさんのレビューを参考に、新しい本を見つけて行こうと思っています。
こちらこそ、よろしくお願いします<(_ _)>

家守綺譚は私の中でも殿堂入りです。
しっとりと濡れた木々の中で息づくものたちが彼らの決まりごとの中で生きている、というそのこと自体がとてもいとしく感じられます。
装幀、いいですよね。日本の自然と人々の暮らしの調和を感じさせてくれます。
個人的に裏表紙側にあるヤモリがお気に入りです。

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