ふたりの距離の概算 (角川文庫)

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レビュー : 457
著者 :
greenflashさん  未設定  読み終わった 

折木奉太郎という人格を作り出した
米澤穂信という作家に 心底驚いた。

目の端に映る ほんの少しの兆候。
耳に残る ちょっとした言葉の切れ端。
そんな断片たちから 全てを見透す。
洞察力という言葉は 彼のためにあるように思う。

そうして何よりも深く思うのだ。

折木奉太郎の生活第一信条
「やらなくてもいいことなら、やらない。
 やらなければいけないことなら手短に。」
これは守られなければならないのだ。

もし彼が自身の能力に自覚的で 
人生を歩くのに能動的であったなら
多くの人が その心の中を見透かされ
傷つき 彼のそばを去っていくことだろう。

彼の友人たちのために。そうして誰よりも
彼自身のために。彼は動いてはいけない。

彼が動くとき 彼は自身の能力ゆえに
誰よりも深く悩み 苦しみ 傷ついてきた。
折木奉太郎は 本当は誰も傷つけたくないのだ。
それは優しさであり 自己防衛なのだ。
人を傷つけるごとに それより深く傷つく彼は
このままではいずれ 自らの心を壊してしまうから。。。

彼は自覚的に 能動的に
やらなくてもいいことは やらないのだ。

レビュー投稿日
2016年1月19日
読了日
2016年1月19日
本棚登録日
2016年1月8日
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