六花落々 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社 (2017年10月12日発売)
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本棚登録 : 205
感想 : 15
3

六花…雪華の学問的探求にのみ
目を向けていられたら。

そう嘆息したくなるほどに
後半はきな臭く血生臭い。

それが人の世の常とは理解しつつも
大らかな人生を生き通すことのできる
世の中であってくれたら…と泣きたくなる。

この作品に 雪華の美しさは感じない。
人が背負う業というものの過酷さをただ思う。

「おまえは、そのままでいろ」

二度そう言われた何故なに尚七でさえも
民の置かれた境遇に
心揺らがざるわけにはゆかない。

真の学問は 人の生き死にや幸福とは
無縁のものであったか。そう感じさせられる。

学問は力弱く 時代の求めと弾圧の繰り返しで
その多くの本分は歪められてきた。

歪まぬ学問は 生き残れぬ。

私はこの作品を こう読み解いてしまった。
読み終えて今 殺伐たる心境にある。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年3月27日
読了日 : 2018年3月27日
本棚登録日 : 2018年3月19日

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