六花…雪華の学問的探求にのみ
目を向けていられたら。
そう嘆息したくなるほどに
後半はきな臭く血生臭い。
それが人の世の常とは理解しつつも
大らかな人生を生き通すことのできる
世の中であってくれたら…と泣きたくなる。
この作品に 雪華の美しさは感じない。
人が背負う業というものの過酷さをただ思う。
「おまえは、そのままでいろ」
二度そう言われた何故なに尚七でさえも
民の置かれた境遇に
心揺らがざるわけにはゆかない。
真の学問は 人の生き死にや幸福とは
無縁のものであったか。そう感じさせられる。
学問は力弱く 時代の求めと弾圧の繰り返しで
その多くの本分は歪められてきた。
歪まぬ学問は 生き残れぬ。
私はこの作品を こう読み解いてしまった。
読み終えて今 殺伐たる心境にある。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年3月27日
- 読了日 : 2018年3月27日
- 本棚登録日 : 2018年3月19日
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