灯台守の話 (白水Uブックス175)

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本棚登録 : 248
レビュー : 30
制作 : 岸本 佐知子 
ひなさん にねんめ   読み終わった 

翻訳物が好きだ。
脳からそのまま出力されたのではない言葉は、
事象に対して多分に真摯だ。

出だしの文にやられた。
「母さんはわたしをシルバーと名づけた。わたしの体は銀と海賊とでできている」
なんて素敵な表現なんだろう。
こんな素敵な文章が随所にある。
それを眺めるだけでもとっても幸せだった。

最初、少し勘違いをしていた。
ピューとシルバーを起点として、流転していく物語かと思っていた。
なんと言ったらいいか、わからない。
でもいつの間にか愛について私は読んでいた。
私だって救いようのないロマンチストだし、愛こそがもっとも価値のあるものだと思っている。(その解釈が物語りや他の人と同一である確証はないけれど)
恋は近年の発明だ。
子どももそう遠くはない昔に見出された。
それに伴って母性愛も。
さらに新しく父性愛も。
それらに較べたら愛の歴史ははるかに長い。
だが、自然のものではない。
ダーウィンの進化論のように、起源をもとめて物語りは彷徨う。
見つけて、見失って、結局それが本質なのかもしれない。

ひとつだけかわらないのは、物語であり言葉だった。
灯台守、彼らが護る灯火そのもの。
だから、灯台守の話、なのだ。
岸本さんの翻訳が素晴しいと思った。

レビュー投稿日
2012年11月14日
読了日
2012年11月14日
本棚登録日
2012年11月14日
4
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