砂漠の塩 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1982年9月28日発売)
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本棚登録 : 153
感想 : 16
3

情死の話。

本当にはた迷惑な情死だ。
誰にも死体を見られず死にたい、という願望は、自分たちのことしか考えていない。捜索する人々や家族のことも全く考えていない。
芥川龍之介が何度も心中に失敗して最後に成功する、などは知っているが、やっぱり今の時流にあわないと言うか、心中というものがいまいち理解できない。
今は不倫も離婚も当たり前だから。
サスペンスとして描いてあって、心中に至る泰子の心の機微などがもう少し共感できれば楽しめたかな。
後半の真吉が生死をさまようあたりから、ぐっと読ませる筆力は感じた。そこまでがすこしたるい。
いずれにしても、とっとと離婚して再婚すればすむ話。
禁断の愛という二人の世界に酔っているとしか思えない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学少女
感想投稿日 : 2013年8月19日
読了日 : 2013年8月19日
本棚登録日 : 2013年8月19日

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