中森明夫の又吉評がよかった。
松本人志の「遺書」が熱狂的ファンの間のバイブルになったのと対照的に又吉の「火花」が文学に敗北し、そこに文学の力があること。そして、それはひとえに又吉の文学に対する尊敬と愛情の現れである。
「お笑いの魂を文学にぶつけること。」21世紀の文学は、こういう表現の多様性や奥行きを持つ者により更新されて行くということなのだろうか。
そして、中村文則は、又吉の笑いの持つ暗さこそが、又吉が人を救うことができる芸人である、と述べる。それは、作家中村文則を又吉の文学愛を通して知ることになった私にもよくわかる話だ。
そして、羽田圭介×島田雅彦のトークも面白い。ユーモアのある人の会話(対談)って飽きないわ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年8月12日
- 読了日 : 2015年8月12日
- 本棚登録日 : 2015年8月12日
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