ダーウィン・ヤング 悪の起源

  • 幻冬舎 (2023年6月11日発売)
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本棚登録 : 72
感想 : 5
3

606ページに上下段の文字。私は余程の事が無い限り最後まで読まないと気が済まない質なので、この手の凶器本に手を出す時は覚悟をして臨みます。
長時間意図せず筋トレをする事になり、もし内容が好みではなかったり文体が好みでは無かった場合は腕の疲労感が倍に感じられるからです。
(読む体勢が悪いからなのですが)

さてこの凶器本はどうだったかと言うと、そこまでのめり込む事ができず、左腕がやられました。
これは翻訳本なので個人的に文体が合わなかった事と、予想して期待していた話では無かった事が原因です。
勝手ながら格差社会(第1地区から第9地区に行くごとに格差が拡がっていく世界観です)での革命の話かと思っていましたが、革命に近い話は出てくるのですがただただ絶望的な結果。

そういうのも好きなんですが、煽り文句の『逃れられない、人間の宿命。混ざりあう、3人の運命。』が私の思っていたような意味では無かったので少しガッカリしてしまいました。

とはいえ今回は完全に自分の思い込みによる勘違いなので、この3人の数奇な運命を丁寧に描いて繋げていくパクさんの力量は素晴らしいですし、結末もこの物語に相応しい終わり方で強制筋トレをする甲斐は有る作品です。(皆様におかれましては机に置いて正しい姿勢で、どうぞご自愛ください)

日本でも舞台化されていたようで、そちらを観てみたかったです。舞台でかなり映える物語に思いました。

あと、フードを被りたくなる事請け合いです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: フィクション
感想投稿日 : 2023年8月20日
読了日 : 2023年8月20日
本棚登録日 : 2023年8月20日

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